【OPT CLUBHOUSE × KINARU DAY1】発信し続けるふたりに聞く “自分らしさを表現する“とは?

ジェンダー・セクシュアリティイシューについて対話し学び合う場所、OPT CLUBHOUSE。

2024年のプライド月間は、「香りで、手をつなぐ」をコンセプトにふたりだけの想いを体現する空間での調香体験を提供するKINARUとコラボ。2024年6月21日(土)-22日(日)に渋谷モディで行われたコラボポップアップにて、Youtuberの奏太さんと俳優のイシヅカユウさんをお招きし「発信し続けるふたりに聞く”自分らしさを表現する”とは?」をテーマにトークイベント & KINARUワークショップを実施しました。

当日の様子を写真と一緒にご紹介します。

ゲストの奏太さん(左)とイシヅカユウさん(右)。

当日、会場にはたくさんの方が集まりました。

2013年からモデルを始めたイシヅカユウさん。妹さんにお子さんが生まれた際、「まだ何も世界を知らないこの子に、自分は何ができるんだろう」と思ったと言います。モデルとして人前に立つ活動をしながらセクシュアリティについても発信することを決めたのは、日常の中で当然のようにトランスジェンダーの人たちもいることを伝えたいという想いがありました。

子ども達が成長する中で、セクシュアリティに限らず自分の在り方に悩んだとき、自分の発信が「どんな姿でも生きていけるんだよ」というメッセージになれたらとユウさんは言います。

ちなみに、幼稚園に通うようになった妹さんのお子さん。「赤は女の子、青は男の子」と幼稚園で伝えられた際に「そんなことない!」と発言していたとのこと。ユウさんのメッセージが、確実にお子さんにも届いているようですね。

奏太さんは、トランスジェンダー男性であり、ご両親が耳の聞こえないコーダです。社会的にマイノリティ側であることで、生きづらさを感じ続けていた奏太さん。発信を始める前までは、その生きづらさを「自分のせい」だと思っていました。社会側が変わっていかなければいけないことがあると気がついてから、当事者が実際の生活の中で感じていることを知ってもらいたいと発信を始めました。

ゲストのおふたりの温かい想いに、参加者の皆さんにも笑顔が生まれます。

ユウさんは、発信を通して、自分とは違う悩みを抱えた当事者の方と出会うことがあると言います。さまざまな価値観を持つ人たちとの出会いを通して、1人ひとり違うという事実に改めて気がつかされたと教えてくれました。価値観や想いが異なるからこそ、どのような言葉で発信していくべきかを日々考えているユウさん。言葉や表現を考える上で、色んな角度から情報を探し、様々な人たちの声を聞いた上で発信するようにしていると教えてくれました。

ユウさんのお話を聞いて「僕も色んな情報を取りにいくようにしています」と共感していた奏太さん。自分と違う価値観・意見を持つ人に対しては「なぜ、そう思うのか」を聞くようにしているそうです。「なるほど、だからそう思うのか」と気づきになった声を参考に、発信の際の言葉の選び方や表現の参考にしていると教えてくれました。

発信をしていて良かったなと思うことをおふたりにお聞きすると、奏太さんはチャンネルを視聴してくれていた中学生から手紙が届いたエピソードを教えてくれました。その中学生はトランスジェンダー男性。両親に自分の性のあり方を伝えたい、制服を自認する性別の制服に変えたいと考えたときに、奏太さんの動画を使って想いを伝えることにしました。結果として、両親に自分の性のあり方を伝えることができ、翌年度からは自認する性にあった制服を着ることができるようになったのだそう。奏太さんのエピソードに、会場からは笑顔がこぼれました。

最後に、ファシリテーターの内山からは「ゲストのおふたりにとって、自分らしさとはなんですか?」との質問が。

奏太さんは、1年半前まで「毛が生えている方が男らしいんじゃないか」「メイクをしたら男性らしくないんじゃないか」と、社会が男性・女性として分けているものに強く反応していたと言います。そんな中で、ありのままを受け入れてくれるパートナーさんとの出会いがあり、自分らしくあるために自分を表現するべきだと思えるようになったそう。ありのままの自分を、そのまま好きだよと受け入れてくれる人が1人でもいることの大切さを、奏太さんは教えてくれました。

奏太さんのお話を頷きながら聞いていたユウさん。ユウさんも、女性らしいものを選ぶと「やっぱりそういうものを選ぶんだね」と言われたり、逆にパンツスーツを選ぶと「気持ちが変わったんだね」と言われた経験から、自分が好きなものが常に女性らしさと紐づけられてしまうことに悩んできたと言います。ユウさんが選ぶものを女性らしさと紐づけることなく「いいね!」と言ってくれる人たちとは、発信を通して出会いました。その人たちとの出会いもあり、自分が選んだものが自分にとって居心地の良いものであればいい、そう思えるようになったと教えてくれました。

トークセッションのあとは、KINARUさんのサービスを体験できるワークショップを実施。自分だけの香りをまとった栞をつくりました。

KINARUさんのサービスで、実際に選ぶことのできる香りがズラリと並びます。この中から、自分の好きな香りを選んでいきます。

「この匂い、いいね!」「私もそれがいい」など、同じグループの人たちと、香りを通して会話が生まれていました。

とっても素敵な笑顔です。

ゲストのおふたりも一緒にワークショップに参加していただきました。

KINARUを立ち上げた株式会社ポーラの梶川さんが、KINARUのスタートの背景を教えてくれました。

梶川さんの弟さんはトランスジェンダー男性。数年前に「お姉ちゃん、自分が何者なのか分からないんだよね」と、梶川さんは弟さんから電話でカミングアウトをされました。電話口で、弟さんの言葉にできない気持ちを100%汲み取りきれなかった悔しさを原点に、弟がきっと大丈夫と思える理由を創りたいと思い、KINARUのサービスを始めることにしました。

当初は、見えなくても確かな繋がりを感じてほしいという想いで”香り”を選んだという梶川さん。KINARUのサービスを体験してくれたユーザーさんの声から、どんな場所でも自分や大切な人とのありのままの想いを纏いながら歩ける楽しさを感じられるところも、香りの素敵なところだと気がついたそうです。

参加者の皆さんは、自分で選んだ香りを栞に吹きかけて持ち帰りました。

おふたりには、ワークショップにとどまらず、KINARUの調香体験サービスも実際に楽しんでいただきました。

「香りで、手をつなぐ」をコンセプトに、大切な人と自分の想いを語ることから二人にとって唯一無二の香りを創る調香体験を提供するKINARUとのコラボで実現した今回のOPT CLUBHOUSE。

奏太さん、ユウさんの実体験を聞いて「私も、モデルにチャレンジしようと思いました!」と話してくれた参加者の方も。奏太さんとユウさんのお話や、KINARUの香りを纏う時間を通して、ありたい姿であることや、ありたい姿に近づくためのチャレンジに繋がっていくことを願っています。

■ KINARU -香りで、手をつなぐ-
大切な人と自分の想いを語ることから特別な香りを創る、調香体験25種類以上のベース香料を巡りながら、ゆっくりと時間をかけて、唯一無二のふたりの香りが完成します。詳しくはHPをご覧ください。

Photo : Eiri Motoyoshi

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